摂食障害の治療に身体拘束は必要でしょうか?
今日のニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180515-00000047-asahi-soci をご覧になったでしょうか?
みなさんは、この記事について、どう思われるでしょうか?
Twitterなどでは、それは仕方ない、命の危険があったんだろうから、それほど大変な病気なんだ、と正当化するようなコメントがあげられているようですが、
そんなことは、絶対にないです!!!
私は、もう30年も前になりますが日本の精神科急性期病棟で働いていました。拘束もありましたし、摂食障害の患者さんもいらっしゃいました。
そして、その後、アメリカで、看護師として、摂食障害の患者さんたちのお世話をし、私自身、アメリカで摂食障害の治療を受けました。
臨床で、本当に生命の危機があると言って、経鼻栄養の時にだけ、看護師が付き添って、どうしてもどうしても仕方ない時にだけ、その栄養が入っている時だけ、手を軽く抑える、ということはありました。あくまでも、患者さんのサポート役です。
でも、大体の患者さんが、ずっと暴れ続けるということは、ありませんでした。どこかで、みんな覚悟を決めるのです。
きちんと話をして、患者さんの怖さ、不安、を受け入れることが出来れば、私たち看護師は、敵ではなくて、一緒に病気に立ち向かう共同体なんだ、と説明を繰り返せば、ほとんどの患者さんは、理解することができるのです。
もしも、その時点で理解できないようであれば、それは、病気から来る不安がとにかく高くなっているということで、暴力的だとか、治療に非協力的ということではないのです。
そして、私自身が体験した治療では、もちろん抑制を使う施設などは、どこにもありませんでした。
摂食障害の患者さんだからと言って、心がないわけではないのです。頭が本当に機能していないわけではないのです。
食べること、太ること、自分のコントロールを失うことが、怖いのです。
だから、抵抗するのです。
それをわかってもらえれば、無駄に抵抗なんてしなくなります。
無理強いしようとするから、抵抗も激しくなるのです。
日本の場合、明らかに、便宜性のために、抑制をするということがあるのではないでしょうか?
時間がないから、人手がないから・・。
もちろん、今の保険制度、人材配置では、難しいことです。
だからこそ、もっともっと大きく改革をしないといけない時期なのだと思うのです。
どうしても、どうしても、1人でも多くの方に知っていただきたく、書きました。
行動制限療法は、効果がありません!!むしろ患者さんにとって、辛い経験となりすぎます。摂食障害の治療に、継続的な身体拘束は、必要ありません!!!
それを使わなくても、治療する方法があることを、ぜひ知ってください。
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