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真実4 摂食障害って、みんななりたくてなってるの?

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真実 4 

患者さんは摂食障害になりたくてなっているわけではありません。これは、深刻な生物学的要因が影響している病気です。

これは、まだまだ日本でも、アメリカでも、誤解されていること。

なんだかとにかくわかりにくい。

それに、ご本人たちさえも、そんな気もする。

ただのわがまま?

ただ私がやめればいいの?

ただ私のせい?

私が弱いから?

これは病気なんかじゃない。

ただの私の勝手にやっていること。

それも私がやりたくてやっていること。

病気だなんて言われても、そう思えない。

せっかくここまでがんばってきたのに、それをやめたくない!

周りのみんなだって、やせて綺麗になったって言ってくれる!

私は自分自身に自信がもてるようになったんだから、ほっておいて。

食べることだけが、私にとっての憩いの時間

みんなに知られないようにすれば、大丈夫

私はまだまだ重症なんかじゃない

もっともっと痩せないと、病気じゃない

病院の先生だって、大丈夫っていってた

血液検査でも何も異常なかった

内科の先生も、大丈夫ですといった。

私だって、大丈夫な気がする

お母さんがただ騒いでいるだけ

せっかく私が見つけたコントロールを、やめさせようとしているだけ

私は今の方が幸せ

ほっておいて

誰にも迷惑かけてないんだから

毎日体重を計らないなんて考えられない

カロリーのことを気にしないで食べるなんて、考えられない、怖い

今の運動をやめるなんて、絶対に嫌・・。

今まで、巷で言われている体に良いとされることをやっているだけ

ただ、健康になろうとしているだけ

なんで? 何がわるいの?

みんなより、ダイエットがしっかりできるからって、口出ししないで

 

もっともっと、摂食障害に苦しむみなさんの気持ちはあげられるでしょう

 

とにかく、難しいのは、摂食障害で、苦しむまえには、

自分に自信が持てる、

やっと解決策が見つかった、

自分の決めた通りできて、自分に満足、

などなど、心地よさも付きまとうものなのです。

回復する時には、気分が悪くなる。

病気が進行していく時には、気分が良くなる

こんなことがあるから、

本当にわかりにくいのです。

そして、周囲はもっともっと混乱するのです。

きっとみなさんも、みなさんの周りの人も、

こんな風に思っているのかもしれません。

もしも、心の中で、こういうことを思っているとしたら、

それでも、みなさんは、

摂食障害とは、ただのわがまま病だと言うでしょうか

 

例えるなら、試験勉強を徹夜でやった、仕事を徹夜で終わらせた。

少なくとも、その時には、自分に対して、「やれた!!!」という

満足感があるのではないでしょうか。

むしろ、その時に、早く寝なさいと言われて、

本当に寝てしまったら、なんとなく自分に負けた、と

思わないでしょうか。

そして、試験ができなかったら、

仕事が終わらなかったら、

それでも、徹夜した次の日の

体の不調のことまで考えて

ああ、自分は自分にとって良いことをしたのだ、と

本当に思えるでしょうか????

 

摂食障害って、

こんなことが、毎日1日少なくても3回、

繰り返されている心の葛藤なのです。