アメリカの治療施設では、多くの場合、体重を患者さんに知らせることはしていません。
日本に導入されているイギリス式のCBTマニュアルでは、体重を自分なりに受け入れることが必要、と言うことで、体重をあえて、見せる、増えてきている体重を受け入れることが大事、と言っているようですが、こちらでは、体重の数を知ることは、百害あって一利なし、と考えられています。
事実、多くの患者さんが、体重を知りたい、でも、知りたくない、と言われます。私自身、体重計を手放すのには、多くの時間を要しました。。
病気が始まった頃には、体重を測ることが、毎日の生き甲斐。減っていれば、自分自身が、大丈夫、と感じられる。増えていたら、もう1日気分は最悪。自分を律してくれる便利なツールだったのです。
ところが、少しずつ回復が進んでくると、体重の数に、自分がいかに左右されているのか、わかるようになります。
現状は、何も変わっていないのに、体重の数を知ってしまった途端、気分が最悪になる、いかに自分が、その数に、操作されてしまっているかと言うことに気づけるようになるのです。
そこで、アメリカでは、体重計へのお別れの儀式、あるいは、お礼の手紙を書いて、さよならをする、と言う課題があります。
バカらしい、と思うかもしれませんが、これが意外と、体重計を手放していく過程で、重要になることが多いんですよ。だって、一度は、自分の役に立ってくれていたんですから。。。
日本でも、こんな手紙を書いてくれた方がいらっしゃいます。ご紹介しますね!
体重計さんへ
私が、運動をしていた頃、体重計さんがいてくれて
私の体重がどんどん減っていって
私はとても嬉しかったです。
これで、私の体は強くなれる! そう自信をつけさせてくれて、ありがとうございました。
私の体重がどんどん減っていき、体も痩せて、
周りからは、「細いね!」「羨ましい!」と言ってもらえました。
自分の体が大好きだ、と感じられました。
全部、体重計さんがいたからだと思います。
でも、「細い」を維持しようとして、ご飯が食べられず
大好きだったスポーツもできなくなり、学校も行かれなくなって、入院しました。
退院してからは、食べ物を泣きながら食べました。
その時も、体重計さんが、私の支えでした。
太っていたら、食べる量を減らせばいい。
痩せていたら、感動させてくれる。
体重計さんを見て、泣いた日もあったけど、
過食になって、泣き続ける日に、ほっとする時間を作ってくれて
本当に本当にありがとうございました。
しかし、私は、もう体重の数値にしばられずに生活がしたいと思っています。
自分のありのままを受け入れていこう!と決めました。
なので、私は、今日で、体重が怖いから、と言って、
自ら体重計には、乗りません。
私はもう数字に支配されません。
体重計さんがいなくても、私はもう大丈夫です。
今までお世話になりました。
ありがとうございました。
もしも、みなさんが、実際に患者さんと接しているのであれば、その方が、体重計を手放してもいい、と思える時、ぜひ、お別れの儀式、をしてみてくださいね!!
体重計を手放すことで、もっともっと自由に、回復の道を進んでいくことができるようになりますよ!!!